一つの犯罪から人生が終わってしまう

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

勤めていた会社で盗みを働き、バレて退職させられた派遣泥ママの話。

私が当時勤めていた会社は、工場などで使われる大型装置のメーカー。
一機数億円で取引され、当然各部品も恐ろしく高価。
でも、その交換部品も壊れてしまえばただの産業廃棄物。
なので、産廃処理業者に処理してもらわなければいけない。(工業用の薬品なんかを使っているので、普通の業者には任せられない)

ひとことで交換部品と言っても大きさは手のひらに乗るぐらいのものからフォークリフトでないと動かせないような物までいろいろ。
通常は会社の近くの倉庫に一時保管し、一定量集まると業者に連絡していた。

ある日、倉庫の産廃置き場がそろそろ一杯になってきたので業者に連絡をして
翌日に回収してもらう手配を取った。
そして回収日当日、倉庫の鍵を開けて業者の人に「このコーナーに置いてあるもの全部おねがいします」って指差した先には、何もなかった・・・。

超びっくりした。

ひとつ100キロ以上ある部品が積んであったのに、ない!
すぐに警察に通報。

そしたら産廃処理業者の人が、「最近、金属系の産廃専門の泥棒が出てるので、知り合いのリサイクル業者に連絡してみましょうか」って言い出した。

産廃処理は、回収した後、国が定めた基準で処理をして安全確認したもので、リサイクル可能なものがあればリサイクル業者に卸す決まりになっているらしい。
だけど、最近は金属(特にアルミとかリサイクル率が高いもの)を中心とした廃棄物泥棒が横行しているとかで未処理の産廃が出回っているとのこと。

今回盗まれた金属部品は確かに高価な類のものが多く、泥棒からしてみれば宝の山だったかもしれない。

でも、劇薬が全く処理されないままの状態で部品の中に溜まっていたわけで、人体には極めて有害。
そんなもの未処理でリサイクルに出したら、絶対にどこかで怪我人が出ているはず。

結果を言うと、県内のリサイクル業者で重度の薬品ヤケド患者が出てすぐに足が着いた。

しかも、犯人はウチの会社の派遣従業員(30代、2児の母)。
ダンナが工事現場で働いていて「この前現場で銅線が大量に盗まれた、高く売れるらしい」って言ったのを聞いて、「会社の倉庫にある産廃ももしかしたら売れるかも!どうせお金払って処理するんだから、その前にもらっちゃえ!」ってことだったらしい。

回収日はわかってたので、前日の仕事が終わってから速攻でリサイクル業者に産廃を全て売り払った。
売り上げは30万近く行ったらしい。
しかし、哀れなリサイクル業者の作業員たちは、危険な薬品まみれの部品を解体する作業中に薬品ヤケドで重傷。(主に顔と両手、両腕)
死人が出なかったのが不幸中の幸いと言われるぐらい・・・。

当然、事件が発覚した時点で雇用契約も終了→派遣会社に強制送還。
その後、怪我を負った人たちとは示談(高額の治療費や慰謝料を請求された)。

しかも夫には離婚され子どもも取り上げられた、と聞いた。
会社の物を無断で売り払ったことも問題だけど、「産業廃棄物が危険物であることを知っていながら、それを業者に伝えずに怪我を負わせた」ってことは実刑降りてもおかしくないと思うんだけど、どうやら実刑は喰らわなかった模様。

それでも、派遣もクビ、離婚されてどうやって示談金払うんだろうと思ったけど、後日ソープで働いているというウワサを聞いた。(あくまでウワサだけど)

顔に薬品ヤケドを負った被害者を思えばソープで働いてでも五体満足で生きているのはまだマシだと思ったりもした。

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