これは去年の夏の出来事なのだが、その日は仕事が遅く帰る頃には1時過ぎていたと思う。
終電を逃してしまったので、明日は休みだし朝まで公園のベンチで酒飲むかなって思った。
ちなみに、この話に関係がありそうなので言っておくと私は男です。
歩いていたそこは国道沿いだったのだが、時間のせいか車も人もほとんどいなかった。
車は思い出した頃に1台通る感じ。
事が起こったのは歩道橋を歩いてた所からなのだが、H字の歩道橋・・・といえばわかるだろうか?
I←の上下両部分が階段になってて-←の部分が車道を横断するための歩道になってる感じ。
私は車道を横断して、私から見て右側の階段を下りようとしてたところだ。
ふと見ると、左側の階段から小汚い感じのおっさんが上ってくるのが見えた。
髪の毛はぼさぼさだし、どこまでがアゴなんだかわからないくらいのヒゲ。
服はところどころ破けていて、まるで野犬にでも襲われたようにボロボロ。
どっからどう見ても目を合わせちゃいけない類のおっさんだった。
私は不自然にならない程度に目を逸らしながら右側の階段を下りた。
すると、どうやらそのおっさんは私の後を付いて来るように階段を下りてきた。
まてまてまて!って思った。
どう考えてもおかしい。
だって、車道を渡る気がないなら歩道橋の階段をわざわざ登って下るなんて普通はしないはず。
こいつはヤバイやつや!って思った。
それから、そいつは私の後をぴったりくっついてきた。
歩道幅は3メートル以上あるのに、わざわざ私の後ろを。
しかも足音からすると2,3メートル以内の距離でついてきた。
元々私は歩くのが相当遅いのだが、気味が悪くて段々と歩く速度を上げたが、そいつはぴったり付いてきた。
しかし間もなくして目的地が見えてきた。
酒を調達するためのコンビニだ。
コンビニまで着いてきたらどうしようかなーなどと考えながら入店すると同時に
スーっと私の後ろに近づいてくる気配がしたので、身構えた。
するとすれ違いざまに「あ***だよ・・・!」とか、よく聞き取れなかったが悪態をつくような口調で呟いてきて、どうやら通り過ぎたようだった。
私がコンビニから出てくるのを待っているのかと思ったが、それも違った。
恐らく私のサイフが目当てだったのかもね。
以上です。
ほんの少しでも暇つぶしになったのなら幸いです。