死後5~7日位

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

去年、独り身だった兄貴が亡くなった。

兄の会社から無断で一週間通勤しないって実家に連絡があって、警察立ち会いのもと鍵屋を呼んで玄関を開けてもらった。
すると、台所と洗面所の間に倒れてた。

パトカーいっぱい来て直ぐに現場検証が始まったが事件性はなし。
お医者さんも来て死後5~7日位との事だった。
何年か前から心臓の健診で引っかかってたことがあり、急性の心筋梗塞ではないかとの事だった。

ちょうど風呂の戸が開いてて上半身裸で倒れてたから、たぶん突然の発作かなんかだったのだと思う・・・。
お巡りさんはテキパキと兄貴を北枕の布団に寝かせ、現場検証で見つけた金品類を全部一箇所にまとめておいてくれた。

警察を呼んでから俺と親父で立ち会ったのだが、この時点でやっと母を呼んだ。

警察は帰ってしまい、部屋には俺と兄貴だけ。
とにかく匂いが凄くて、これが死体の臭いなんだ・・・って知った。
でもご近所の目もあるし、窓を開けたり換気扇回したりなんて当然出来ない。
それでも母にとってはやっぱり子供なんだな、と思った。
母は兄貴にすがって泣いてた。

とにかく兄貴をそのままにしておくことが出来ず、俺は葬儀社を探して連絡した。
どこ電話してもちょうど立てこんでたらしく、2~~3時間待ち。

この時点で夕方だったから、俺・父・母・兄でものすごい臭いの狭い部屋でじっと待った。
すると突然母がケロッといつも通りになり「食事にしよう」と言い出し、さっきまで兄貴が倒れてた台所で冷蔵庫あさって夕飯の準備をしはじめた。

すると親父も「そうだな○○と最後のご飯を食べよう」とか言い始めて、なんか冷蔵庫の冷凍ご飯を電子レンジで解凍しておにぎり作り、味噌汁も作った。

今考えると、すぐにその時着ていた洋服を捨てた位にひどい臭いだったのに、俺達は夕飯の準備をしていた。

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