リ◯ちゃん人形

カテゴリー「怨念・呪い」

3年前、俺が高校生のとき、友人から聞いた話。

友人とその兄夫婦と、姪っ子で山陰の海に遊びに行ったらしい。
海の家とかある海水浴場から少し離れた人の少ない穴場の砂浜に、その年も行ったそうだ。
泳いでいると、姪っ子(確か6歳くらい)が、「お兄ちゃーん(友人)こんなとこにおもちゃがあるでー」とか言うので行ってみると、岩場の影に花束やジュース、おもちゃが供えてあり、線香の燃えカスなどもあったらしい。

「触ったらダメだよ」と友人は注意した。
兄夫婦もそれに気がついて、なんだかみんな正直気味が悪くなってその日は早めに帰宅したそうだ。

前日の疲れからか次の日から姪っ子は熱を出してしまい、2日ほど寝込んだ。
しかし、海に行って3日後に熱もさめ、夕食後久しぶりにお風呂に入ったそうだ。
しばらくして風呂場から聞こえてきた兄嫁の悲鳴で、慌てて駆けつけると姪っ子が風呂桶に頭を突っ込んで藻掻いている。

何かに頭を引っ張られるようにお湯に頭をつけ、足をばたばたさせているのだが、風呂桶の中には当然何もない。
みんなが呆然としていたが、兄がはっと気がついて、風呂の栓を抜いたが、なぜかお湯がちっとも減らなかったそうだ。
大人3人がかりで、何とかひきずりだした姪っ子はうわ言のように「ごめんなさい!ごめんなさい!!!」と何かにしきりに謝っていたそうだ。

落ち着きを取り戻した姪っ子に、兄が何があったのかを聞いた。
姪っ子は、あの海岸に供えてあったリ◯ちゃん人形がどうしても欲しくなりこっそり持って帰っていたらしいのだ。
それを、誰かが、取り返しに来たといっていたらしい。
その子に髪を引っ張られていたと。

確かに姪っ子の髪の毛はところどころ束で抜けてしまっていたそうだ。
風呂桶の中にはたくさんの髪の毛と、なぜか少しの砂が溜まっていたらしい。

その夜のうちに、そのリ◯ちゃん人形、コンビニで買えるだけのお菓子と、おもちゃを持って海岸に行った。
家族みんなで謝ったそうだ。
翌日、お払いをしてもらって、それ以後は何もなかったらしい。

まぁ、俺は半信半疑でその話を聞いていたんだが。
何日かして、友人の家に遊びに行ったら、その姪っ子を見かけたんだけど、女の子なのに髪の毛を剃られていた。
拝み屋さんにそうするように言われたそうだ。

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