“納屋の婆”と呼ばれる怪人

カテゴリー「都市伝説」

友人の話。

彼はその昔、山深い集落に住んでいたのだが、そこには変わった決まり事があった。
そこの納屋は大体が屋外に据えられていたのだが、ここに入る時には、その中に人が居ようが居まいが、戸を開ける前に「開けるぞ」とか「入りますよ」と一声掛けないといけないというのだ。

何でも、その集落には“納屋の婆”と呼ばれる怪人がいて、不用意に納屋に入るとこれに出会すからだという。

うっかり出会ってしまうと、黄色い歯を剥いて襲い掛かってくるのだと。
その昔、神隠しにあった者が出ると、それは運悪くこの婆に連れて行かれたのだろうと・・・囁かれていた。
恐ろしい反面、人を嫌っているようで、そのため外から声を掛けらると姿を隠すのだということだ。

「一種の山姥みたいな感じで恐れられてたよ。実際は、いきなり余所へ入るなっていう、戒めなのかもしれないけどな」

現在彼は街に下りて暮らしているが、例え自分の部屋に入る時にでも、ノックして声を掛ける習慣は身に染みついているそうだ。

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