ある事件の容疑者として

カテゴリー「都市伝説」

大学1年の時、空いた時間はパソコン室に入りびたってた。
そこには俺によく声をかけてくる男子学生(以降A君)がいた。

最初は挨拶程度の軽い会話だったんだけど、ある日A君が「いろんな大学の学生が集まるパーティーがあるから来ないか?」と言ってきた。

俺はそういう人の集まりが苦手だったから断ったけど、A君はしつこく誘ってきて仕方なく「行く」と答えてしまい、その「パーティー」に参加する事に。

しかしその「パーティー」の前日からインフルエンザになってしまい、パーティー当日も熱があって具合悪かったから「ごめん、具合悪くて行かれない」とA君にメールしたら「だったら友達と車で迎えに行くから、詳しい住所教えて」と電話が来た。

A君に異常なものを感じた俺は「行ったらみんなにインフルエンザうつしちゃうから・・・それに熱があって吐き気があるからこれから病院に行くんだ」と言って電話を切った。

それで俺は親の車で病院に行ってたんだけど、家に置いていた俺の携帯にはA君からの着信とメールが延々と入ってて、留守電にはドスのきいたソッチ系の人みたいな声で「テメー何で来ねえんだよ!」みたいな伝言が入ってた。

その後大学内でA君を見ることはなかったんだけど、大学の掲示板と学生課が出してる学内メールに「大学内で本学の学生のふりをして『パーティーに参加しないか』と誘う不審な人物にご注意下さい。その人物は『経済学部2年のA』と名乗っているそうですが、調査した結果、本学内に『A』という名前の学生が在籍している事実はありません。」と、書いてあった。

それから数ヵ月後、風の噂でとある事件の容疑者としてA君が逮捕されたと聞いた。
あのパーティー参加していたら、今頃俺はどうなっていたのだろう・・・。

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