夢だが、お前のせいだっ!

カテゴリー「都市伝説」

その日は友人と待ち合わせをしていた。
ところが、約束の時間を過ぎても友人は来ない。
30分待ったが一向に来ないので、携帯に電話をしてみた。

何度かけても全く出ない。
留守電にもならないので自宅まで行ってみることにした。

マンションに着いて友人の部屋のインターフォンを鳴らしてみたが返事がない。

入れ違いになってしまったのかと考えていたら、どうも中から「うー、うー」と唸るような声が聞えてきた。
これは何かあったのだ!?と思い、ドアを開けようとしたんだが鍵が閉まっていて開かない。
管理人の所まで行き、事情を話し鍵を開けてもらった。

すると、ワンルームのベッドの上で、友人が半分意識朦朧になりながら苦しそうに唸っていた。
驚いてすぐ救急車を呼んで病院に運んだ。

私が付き添って行ったのだけど、そこでの医者からの話が「全身打撲で、かなりの骨折があり内臓にも損傷があるので緊急手術をします。」とのこと。
どうしたら良いのかわからないまま手術が始まった。

5時間もかかって手術が終わり、どうやら命は取り留めた。
だが、友人はとても話ができる状態ではなかったので、一体何があったのかは全くわからなかった。

一週間後、様態が安定して話もできると言うのでお見舞いに行った。
そこで、「一体どうしたんだよ?」と聞いてみると、友人は信じられない事を言い出した。

友人:「お前と待ち合わせた前の夜、夢を見たんだ。夢の中で、気がつくとオレは高いビルの屋上のフェンスの外側に立って下をみおろしているんだ。びっくりしていると、後ろからフフフという笑い声が聞えた。振り向くと、お前が笑いながらこっちに近づいて来るんだよ。オレが助けてくれ!と言うと、お前は笑いながらオレを突き飛ばしたんだ。オレは落ちながらもこれは夢だこれは夢だと必死に目覚めようとしたんだが、とうとう地面に叩きつけられてしまったんだ。それで気がついたらこのザマだよ・・・お前のせいだっ!お前のせいだっ!お前のせいだっ!」

突然友人は錯乱して、医者やナースがきてちょっとした騒ぎになってしまった。
いたたまれなくなった私は、どうして良いのかわからずに病院を後にした。

それ以来その友人とは疎遠になってしまったのだが、夢の中での出来事で、実際にケガをするなんて事があるんだろうか・・・。

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