その声に助けられたはず

カテゴリー「都市伝説」

何人かのグループでレンタカーで、山道を大騒ぎしながら走っていました。

やがて車はカーブに差しかかりました。
その時、車内のメンバーの内の一人が言い出しました。

「今、誰か『死ぬよ』」って言った?

皆騒いでいたので、聞こえなかった、空耳じゃ無いの?などと言い合ううち、車はまたカーブに差しかかります。

今度はメンバーのうち2、3人が「死ぬよ」という声を耳にしました。

車内は騒然となり、やがて次のカーブでは皆静かにして、声がするかどうか全員で確かめようと言う事になりました。

そして3度目のカーブで、今度は全員の耳にはっきりと、「死ぬよ」という声が聞こえました。

彼等は『これはおそらく何かあるに違いない・・・この先を進むのは危険だ』と言う事になり、車を止めてどうしようかと相談しているうちに、山の上から人が降りてきました。

話を聞くと、たった今山の上でがけ崩れの大事故があり、幾つかの車が巻き込まれて死者が出ていて、その人は何とか助かったのでふもとに知らせるために降りてきたと言うのです。

事故の遭った正確な時刻を聞くと、それは彼等が車を止めずにそのまま山を登っていたならば巻き込まれていたであろう時刻でした。

彼等は「あのカーブの声が警告してくれなかったら、俺達死んでいた。今から逃げてきた人をのせてふもとに向かう時に、カーブを通る時にあの声の主にお礼をいいながら行こう」と言い合いました。

一つめのカーブを通り過ぎながら、全員で手を合わせ、声を揃えて「有難うございました」と唱和します。

次のカーブでも同じようにし、また次のカーブで、手をあわせ、「有難うございました」と言った時です。

最初の声と同じ声が、憎々しげに言うのが聴こえたそうです。

「死ねば良かったのに」と・・・。

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