ワンカップのお礼

カテゴリー「都市伝説」

知人の話。

息子(小5)が軽い知的障害を持っていて(人と話せない)、自然に触れ合えば少しは良いのではと思い、昔自分が馴れひたしんだ山に登って小さな清流のほとりにテントを張ってキャンプをした。

ご飯を炊いてレトルトカレーで夕食を取ろうとして、その合間にワンカップを飲んでいた。

すると何処からか、おじいちゃんがニコニコしてその様子を見ている。
何気なく「飲みますか?」とワンカップを渡したら、どうも蓋の開け方が解らないらしい。

それを見ていた息子が珍しく、無言で近寄ってワンカップを開けて渡した。

ニコニコして受け取ると、山葡萄みたいな実を息子に渡し、食べてみせるしぐさをした。

もらった息子は釣られて食べたらしい。

「うわ~!変な味~!」と息子が声を上げた・・・。
それを聞いた父親が驚いた。

息子に近寄って話しかけると、今までがうそのように話をする息子。
うれしくて涙が出て、ふとおじいさんのいる所を見ると、岩の上に手付かずのワンカップがただ置いてあっただけだそうです。

その息子は現在何事もなかったように大学を出て仕事をしてます。

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