本当は平和記念館に行きたくない

カテゴリー「都市伝説」

私は霊感と言うものがありません。

これは今まで生きてきた中でたった一度だけ経験した金縛りの話です。

私は小さな頃までとある地域に住んでいました。
そこでは土地柄から、小学校の毎年の行事として、平和記念館という戦争の悲惨さと、哀悼いの意を込めてつくられた記念館に行くのが恒例の行事でした。

私は、毎年そこに行くのが嫌でした。

理由はむごい写真があるからです(集団自決とか)。
そして、なによりも記念館の中の空気が嫌いでした。

その年もその行事はやってきました。
私は恐怖を抑えつつなんとか館内をまわり、暗い気持ちで帰宅しました。

その夜です。
私は夢をみました。
軍隊の行進してる足だけが見えます。

「ザッザッザッ」

砂を踏む足音が近づいてきます。
私は異変を感じ目を覚ましました。

体が動かない・・・。
小学生の私は物凄い恐怖に襲われました。

私の両腕は丁度頭の上の位置でクロスされ、ロープか何かで結ばれたような圧迫感がありました。

目を閉じたくても閉じられない、泣き叫びたくても叫べない。
眼球だけは動くので私は見える範囲に何者かがいないか見回しました。

誰もいない・・・。
ただの金縛りだ・・・。

私はほっと胸をなでおろしました。
その時です。

「お前達が死ねばよかったのに」

耳元で、中年の男の低い声がしました。
私はそのまま気を失いました。

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