ギャルメイクの悪魔

カテゴリー「都市伝説」

2ヶ月ほど前の話。

暇だからってことで大学の空きコマ時間で友人と空き地でキャッチボールしてたんだけど、俺のミスで大暴投してしまった。

空き地の横には民家と軽い敷地があったのだがボールはそちらの方向に。

しばらくの時間、友人とボールを探していたら民家の方から「あのー」と声をかけられた。

そっちをパッと振り向いたら古びた民家には似つかぬようなギャルメイクをした若い女の人が庭に立っていた。

「ボール探してるんですか?」

そう問いかけられたのでそうですと答えたら「こっちの庭に入ってきましたよー」と言いながら女の人が振りかぶった。

俺らはまさかボールを返してくれるとは言え返す際に本格的に振りかぶって投げられるとは思わなかったので意表を突かれて後ずさりした。

そんでギャルはアイドルの始球式みたいな女の子投げなフォームでボールを投げてきた。
・・・のだがボールがすごい真っ黒。

庭のどこかに突っ込んで汚れたのかな?と思ったがボールを捕った友人が「うあおああ!」みたいな声を上げてグラブトスの要領でボールを放り投げた。

どうした?と聞いたら友人は困惑した表情で無言でボールを指差す。
何事かと思って放り投げられたボールの方に歩み寄って見てみると・・・黒い毛虫がボールにびっしり付いていた。

しかも見た感じ全部生きていない。

ボールに纏わりついて蠢いているというよりかは死体を人工的に無理やりボール全体に貼りつけているといった感じだった。

え?何これ?え?と思ってふとギャルの方を見たんだがギャルは俺らの方を見たまま直立不動で表情も崩さずにただ真顔でジッとこちらを見ている。

メイクの効果で強調された目元が狂気的だった。

真相は分からないけど、とにかくマトモな人じゃないことには違いない。
幸い、ギャルもそこから動く様子は無かったので俺はそこから目を逸らさずに狼狽している友人の手を引っ張って帰った。

なんかもう意味が分からない怖さがあるのでそれ以来そこの空き地には行っていない。

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