私の親父(昭和3年生まれ)から聞いた話です。
親父がまだ大学生(夏休み)のときです。
一人で箱根仙石原にぶらっと出かけたそうです。
目的も何も無く、只暇つぶしみたいな感じで文庫本1冊だけ持って出かけた。
当時の仙石原は今のように整備されてなく、葦がうっそうと大人の背丈より長く伸び
水浸しの地面には只板切れが敷いてあるだけだったそうです。
親父は其処を文庫本を読みながら歩いていたそうです。
その時何となく違和感?(誰かに見られている)を感じ辺りを見回したが特に何も無く、気のせいかと思いそのまま歩いていると今度は確かに何かの気配がします。
其処に立ち止まっていると突然、前の自分の背丈よりも高い葦の上に、蛇の顔が・・・
いわゆる大蛇が鎌首をもたげて親父の方をじっと見ていたそうです。
あまりの恐怖に声も出せず一瞬立ちすくんでいたいたそうです。
その間大蛇はじっと親父を見つめたままでとにかく逃げようと思った親父は、1歩後ずさりをしました。
すると大蛇はその分顔を前にスッと出します。
又親父が1歩下がると大蛇が前に出てくる。
もーだめかな、そう思ったとき遠くの方で人の声が聞こえ、その人の声が聞こえた瞬間大蛇はスッとUターン?していなくなったそうです。
親父は間髪入れず元来た道を一目散に逃げ帰ったそうです。
親父はそのときの話を、2m以上丈のある葦の上から顔を出すんだから少なく見積もっても7~8mはある蛇だ、と言っていました。
余談ですが、箱根山の手前には久野山という山がありそこに端を発する山王川には山の樹を伐採するきこり達?が殺した大きな蛇が(3mを超える青大将)流れてきていました。