窓越しにやっぱりいる・・・

カテゴリー「心霊・幽霊」

卒研で実験のデータ待ちで徹夜中、同じ研究室のAが話しかけてきた。

A:「なんで、近○ってストライキがないか知ってる?」

Aによると奈良と大阪を結ぶトンネルを建設中に大事故があり、会社倒産の危機だったが、従業員と会社が一致地団結して乗り切ったため、今でもストライキがないのだということだった。

A:「今、電車で通ってるのは新しいトンネルやし、そのトンネルとは違うねん」

A曰く、その古いトンネルはもう使われておらず、誰でも行けるらしい。
「暇だし行っちゃう?」って軽いノリでその場にいた4人(Aは実験の関係で留守番)で行くことになった。

直接前までは車で行けないとのことで、近くの公園(ハイキングを楽しむ森林公園みたいな所)に車をおいて、歩いてトンネルまで向かった。

ちなみに4人は、自分も含め霊感ゼロの癖に怪談話が好きなビビり。
夜の山って雰囲気あるなとか、ちょっとビビりながらトンネルにいったんだけど、残念ながらトンネルの入口に柵がしてあって中には入れない状態だった。

頑張ったら入れなくもなかったけど、入口に新しい花束がおいてあったし、ビビりな4人なのでそこまでする度胸はなかった。

それで、また山の中を抜けて車まで戻ってたんだけど、すっかりテンションさがって、みんな無言で歩いた。

真っ暗で静まり返ってて、聞こえるのは自分達のザッザッっと砂を踏みしめる音のみ。
途中で、気付いたんだけど、その音が1つだけ遠いんだよね。
ちょっと離れてるの・・・。

誰かいるのかな?って振り向いたけど誰もいないの。
でも、はっきり聞こえるし、段々距離が狭まって来るのがわかるの。
うわぁ、すぐ後ろだと思った途端、思わず、仲間を置いて、、と思ったら、みんな同時に走り出した。

車まで、全速力で走った!
もう、みんな必死。

無事、車に戻って聞いてみたら、やっぱり、みんなあの足音に気付いたとのこと。
大学に戻ると、Aがニヤニヤしてて「出会えたか?」と聞いてきた。

Aの高校の同級生でトンネルに行って今も入院してる子がいるらしい。

俺:「もっと、早く言えよ!」

霊感ゼロの鈍感軍団だったから、これぐらいですんだのかも知れない。
鈍感最高ww

あれから15年。
去年マイホームを手に入れ、毎朝、例のトンネル(新しい方)を通ってる。
電車のトンネル通過中って、外が暗くて中が明るいから、窓に車内がうつるんだよね。
知ってると思うけど。

それで、何気なく窓をみてたら目が合うんだよね。
毎朝。
同じ人と。

振り向いてもいないの。
窓越しじゃないと見えないの。

ふと、思ったんだけど、ついて来てたのかなって。
あの肝試しの時からずっと・・・。

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