ジュンちゃん事件。
私は当時、新人テレビタレントだった「ジュンちゃん」の仲間5人と肝試しにあるトンネルにやってきたんです。
時間はそろそろ夜の9時になる頃だったでしょうか?
トンネルの中間に来たとき、運転席のKと、ジュンちゃんが突然叫んだんです。
「みっ、見ろ、フッ、フロントを!」
フロントを見ると、トンネルの奥の方から青く光るものが近づいてきました。
何とそれは手のひらだったんです。
そしてその青白い手のひらが、いきなりフロントガラスに・・・。
5本の指がくっきり見えました。
そして、いきなり消えたんです。
だけど指紋だけはぎらぎらと燐光を放って、いつまでも残ってたんです。
Kは急いでアクセルを踏んでトンネルから出ようとしたんですが、今度は車の屋根に、何か大きな岩でも落ちたような、ドシーンというような衝撃がきたんです。
Kはもう必死になってアクセルを踏み込んで、やっとトンネルを出たんです。
トンネルを出て少しの所に小さなガソリンスタンドがあったので、そこで少し落ち着こうと言う事になったんです。
車から逃げるようにして、そのガススタに行きました。
ところが、ジュンちゃんが降りてこないんです。
おかしいな?と思ってみんなで車まで戻ってみました。
ジュンちゃんはいました・・・。
助手席に銅像みたいにカチカチになって、顔を上に向けて、両手を硬く握り締めたまま、足を踏ん張って動かないのです。
顔はニヤッと気味の悪い笑みを浮かべてるんです。
みんなで、肩をゆすったり、大声で話し掛けてみても一向に返事どころか反応もありませんでした。
まるで、何かこの世のものでもない恐ろしいものでも見てしまったかのように・・・。
結局、ジュンちゃんは磯子のSと言う脳神経科の病院に入院してしまいました。
今でもあの時の表情のまま・・・。