廃虚の肝試の話

カテゴリー「心霊・幽霊」

やっと謎が解けた。
原因は「あるもの」を見たからだ。
平成10年9月10日、O県H市にある廃虚に肝試しに行ったのがことの始まりだった。
見なかったことにしようという暗黙の了解がいけなかった。

当時、私とA、Bの私達3人はドライブがてらよく心霊スポット巡りをしていた。
問題の場所は、有名なところで多くの人達が連日連夜訪れ、心霊スポットというより何時の間にか一種の溜まり場となっていた。

その建物は2階建で強盗殺人によって廃虚となったと言われていた。
1階には3つの部屋があり、床にところどころ穴が空いている以外各部屋は全体的にきちんとしていた。
2階には4つの部屋(おそらく子供部屋が2つ、寝室、書斎らしき部屋)があった。

事件が起きたのは2階の子供部屋の1つ。

パイプベッドと床には無数の写真が散らばっており、そこは最も怖い部屋と言われ、肝試しのメインの場所だった。

その日(H10.9.10)は私たち以外に、3つのグル-プが先に訪れており、廃虚の入り口となる細道で何やら騒ぎながら話していた。
私たちが入り口に到着すると、その中の4人(おそらく1つのグル-プ)が寄ってきて、これどう思うかと言って3枚のポラロイド写真を見せてきた。
3枚とも問題の部屋を撮った写真で、2枚は部屋の中で、1枚は窓を外から撮ったものだった。

部屋の中の写真は、曇ったオレンジ光がベッド上に写っているものと、その後に撮ったものには光はなく、白い丸い霧が同じところに写っていた。
そして最後に撮った外からの写真には、窓(硝子はない)に撮っている人を眺めている人影のようなオレンジ光が混ざった白い霧が写っていた。
これらの写真を撮ったグル-プが1番先に到着しおり、他の2つグル-プも私たち同様に写真を見せられ、まだ廃虚には入っていなかった。

真相を確かめようというより、霊が見れるかもという期待感が高まり、みんなで行ってみることになった。

到着すると、写真のせいもあって、廃虚には不気味な感じが漂っているように感じだ。
全員で11人になり中に入る、外で待つ人を決めている時だった、廃虚の中から3人の小学生ぐらい女子がいきなり笑いながら走り出してきた。

私たちはほとんど同時に叫びビビッタがよく見たら「生きている」女の子達で、そして私たちに「笑いにきたら駄目だよ」赤い毬見つけた教えてねと不気味で意味不明なことを言ってきた。

私たちの1人が何してるのと尋ねると、1人の子がろれつの回らない早口で「ゆるす許さないの問題じゃなくてきまりだから、アハハハハ」と言ったというより叫んだ。

3人ともかなり様子が変で、しかも深夜1時ということもあり、警察に電話しようとしたとき、一台の車がやってきた。
中から中年の夫婦と老婆が降りてきて、私たちのところにやってきた。
そして、夫婦は子供達を車にのせ、老婆が私たちに

「あんたら、早く帰りなさい、ここはいかん、この子達は孫で、可哀相におかしいんだ、夜な夜な抜け出してここに行く、家から3キロあるのに。あんたら肝試しはいかんよ、わたしは霊は信じないけど、この子らみてると辛くてね、おかしくなる前と顔が他人になってるのよ、帰りなさいよ」と忠告した。

今思えば、本当に帰るべきだったと後悔している。
があの時は、その忠告が期待感を高め、その好奇心に負けてしまった。
それがいけなかった。

老婆らが帰った後、写真を撮ったグル-プの一人が自分達が来る前から、あの子達は廃虚のどこかに隠れていたことに気づいた。
隠れる場所といえば、穴のあいた床下か、仏壇の横にある押し入れ、または問題の部屋のベッド下。
ともかく、その恐怖感を抑えて私たちは6人が部屋の中に入り、5人が外で万が一のことを考え各車のエンジンをかけたまま待つことになった。

私は中に入ることになった。
階段は1列にならばないと上れない構造で私は前から3番目で、上りながらこういう場合は、もし霊が出るなら、
じわじわりと前触れがあるんだろうなと勝ってに想像していたが、前の2人(男と女)が部屋に入った瞬間男の悲鳴とともにその想像が一瞬に崩れた。

私たちは何事かと思い部屋に駆け込んだ。
そしたら、女が虚ろな目で仰向けに倒れており、くねくねしながら何か呟いていた。
はじめは小声だったがいきなり甲高い声で笑い、「きまりだよ、あはは、きまりだから、きりはずしても駄目なの、また行くよ」と叫びはじめた。

私たちは焦り、女を担ぎ、一目散に部屋から逃げて車に飛び乗った。

みんな無我夢中で自分のつれとは別の車に飛び乗った。
私は担がなかった方だが、女と同じ車に乗った。
女の方は半分気を失っている状態で、汗をびっしりかいていた。
先頭の車に続き私たちはファミレスに入った。

女はすぐに別の子とトイレに入り吐いた後、気を取り戻した。
みんなしばらく放心状態だったが、女がポケットに何か入っていると言った。
それはあの部屋に散らばっていた1枚の写真で、それを見て、みんな凍りついた。

日付は1979、11.3で写っていたのは、女子で顔が、廃虚から出てきたあの3人の女の子の意味不明なことを叫んだ方ともの凄く似ていた。
女は写真を見て泣き出した。

女が言うには、部屋に入ったら写真の子がベッドに正座で座っており、目が合うとニヤつきながら、立ち上がり飛びついてきて、息苦しくなり、意識が飛んで気がついたら車に乗っていたと。

女を落ち着かせた後、写真は一番はじめにきたグル-プ人達が保管することになった。

我々は朝になるのを待って、解散した。

肝試し話は、これで終わりですが、後日談が恐怖の始まりでまだ続います。
過去を振り返り反省ししながら、みなさんに話してます。
「きまり」が分かった今、朝になるのを待ってみんなで連れて行くつもりです。

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