非常階段

よくある霊障スポット系の実話。
俺の姉から聞いた話。

10年くらい前に姉と姉の友人3人が肝試しに行った。
場所は大阪にある「新御堂筋」という大阪府の北部を南北に貫く幹線道路。
そこの鉄橋の脇にある非常階段が、その時の目的地だった。
非常階段とは言ったけど、人一人がやっと通れるほどの幅で、粗末な赤錆色の鉄製手すりとタラップが地上に向かって伸びてるだけで、とても階段とは言い難い建具だった。
真夜中に現地近くへと到着した一行は車を停め、怖気付きながらも興味と酒の勢いで鉄橋へ歩き出した。
川の土手は街灯などあるはずもなく、「街中の道路だから明るいだろう」とタカをくくって出発した。

姉一行は、予想外の暗さにそれだけで一人また一人と口数が減っていった。
そして目的地の非常階段(地上側)に到着した。
橋脚の辺りは風が強い。
時折吹く横風にギィ、ギィと軋む階段を見てるだけで足がすくむ思いだったそうな。
階段を見上げる姉一行。

「ちょっとみんなで上ってみーひん?」(関西弁ゴメン)

と友人が言ったけど、姉は何かを感じたらしく首を横に振った。
姉は霊感が少しある方だったけど、一緒にいた友人の内の一人が凄く霊感が強かったらしい。

「ホンマにあかん、ここはやばい」

と霊感女。
結局姉と霊感女が下に残ることになり、二人が階段を上がる事になった。
そそろと上がっていく二人、それを見守る二人。
突然、鼻に痛みを感じた姉はとっさに鼻を押さえた。

「イテテ」

と言うが早いか霊感女の叫びが早いか。

「あかんっ!みんな降りて来てーっ早く早くはやく!」

狂気じみた声に、階段組みは混乱しながらも只事でない事を感じ、転げ落ちそうになりながら一気に駆け下りた。
土手を遁走している最中も霊感女の叫びは続く。

「ぎえぇぇ、女っ!女っ!あったっまっバリでかいで!超でかいでっ!女っ」

「うっえっかっら!頭っバリでかいっ」

「急に出たっ!急に降りてきたっ!足の動きバリ早いっ」

要約すると、頭部だけが以上に大きい女が、上の方から降りて来てたらしい。
息も切れ切れ、なんとか車にもどった一行は、一目散に逃げ帰った。
帰路途中、車のドアロックがガタタタタタタタと高速で施錠開錠(当時の軽自動車には集中ロックは無かった)
を繰り返したらしいがそんな現象は全く気にならなかったと言う。

後日談になるけど、頭女の詳しいスペックをどうぞ。
俺はコレ聞いて鳥肌立った。

「あんな、顔の大きさは普通やねん。でもな、こめかみの辺りから急にグワーっと・・・スイカぐらい。髪の毛は毛束がぼそ、ぼそ、と付いてる感じ。んで、目も釣り目みたいになってて、やたら伸びてたし」

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