俺が中学3年の頃、サバイバルゲームが流行ってて、その日も近所の神社裏の森でゲームしてた。
俺のチームはかなり劣勢で、俺は森の奥の方へ追い詰められてた。
とりあえず隠れる場所ねーかなって探してたら、なかなかいい場所があった。
その森には地元で亀石って呼ばれてる巨石があって、地面に出てる部分だけでも、幅5m、高さ1.8m位あるんだよ。
その石の裏側に隠れてしばらく相手の様子を窺ってた。
で、10分位しても全然敵が来る気配がないんだよ。
そのうち俺も疲れて、石に背中をつける形で座ってた。
あれっ?
俺はある事に気が付いた。
回りに音がない。
さっきまで聞こえてた、風の音も、鳥の声も。
次の瞬間、石の上から砂や小石が俺の頭にパラパラ落ちてきた。
で、石を見上げたら石の上に立ってました。
麻呂が・・・。
麻呂だよ、麻呂!
平安貴族で蹴鞠とかやってて「~でおじゃる。」の・・・あの格好した男が石の上から見てるんだよ、真っ白い顔で。
足が震えて逃げることもできない。
そしたら近くで「いねーなー。」って友達の声がしてさ、石を見ないようにダッシュで逃げて、友達の姿が見えたんで「石の上、上!」って叫びながら石を見たら、麻呂は消えてた。
後でみんなに話したけど誰も信じてくれなかったよ。