妖しげな弾

カテゴリー「不思議体験」

友人の話。

持ち山を歩いていると、道の先に妙な格好をした人の姿が見えた。
迷彩服にごつい銃を持っている。

人ん家の山に勝手に入り込んで、サバイバルゲームでもしてやがるのか?

そう思い少し離れて見ていたが、何やら様子がおかしい。
連れはいないみたいで、しっかりと道の上で姿を晒して歩いている。
ゲームをしているといった感じではなかったという。

時たま足を止めて、目の前の木をしげしげと見やっている。
そしてその木に弾を何発か撃ち込んで先に進む。
そんなことを延々とくり返していたらしい。

後をつけていると、迷彩服が撃った木の辺りで、地面にBB弾が散っていた。
何の気なしに拾い上げて、眉を寄せる。
弾の表面に、お経のような変わった字が書き込まれていたのだ。
落ちていた弾を拾い集めてみると、そのすべてに字があったという。

一体あいつ、何やっている?

顔を上げてみると、いつの間にか迷彩服姿は消えていたという。
そこの道はかなりの先まで一直線、そして目を離していたのは僅かな時間だったというのに、一体どこへ行ったんだ?

彼はそのまま山道を歩いたが、二度とあの後ろ姿を目にすることはなかった。
妖しげな弾は、すべて拾い集めて棄てたのだそうだ。

ブログランキング参加中!

鵺速では、以下のブログランキングに参加しています。

当サイトを気に入って頂けたり、体験談を読んでビビった時にポチってもらえるとサイト更新の励みになります!