練馬一家惨殺事件。
競売で一軒屋を落札したAは、そこに住むS一家に立ち退きを要求するが、S一家(というか父親)は法外な立退き料を請求して出て行こうとしなかった。
Aはその家を一億で落札し、既に一億四千万で不動産会社に売る契約をしていたが、もし期限までに引き渡せなければ違約金を支払わねばならず、さらに購入資金一億も銀行から借りたもので、交渉が長引けば利子もかさみ儲かるどころか大損になりかねない。
Aは毎日のようにS家を訪ねて立ち退き要求したが、その必死な様子を見たSは逆に立退き料を吊り上げていく。
そして不動産会社との契約期限が迫ったある日、とうとう臨界点を突破したAはS家に乗り込んで妻と三人の子ども、そしてSを殺して風呂で解体(長女だけは林間学校に行っていて無事)。
欲の皮を突っ張らせすぎて引き際を見誤ったSと、そんなやつが住んでいる可能性を
考えもせずに濡れ手に粟を目論んで高額競売物件に手を出したAはどっちも自業自得といえようが、巻き添えで殺された子どもたちが哀れ。