10年以上前に美容サロンで働いてた時の話。
スタッフに未来が見えるって人がいた。
幸せな未来図じゃなくて不幸になる人間の未来図が、その人の頭上に紙芝居みたいに見えるらしい。
閉店後にネイル担当の20代の若いスタッフと、その未来が見えるスタッフが喧嘩しだして、なんだ?なんだ?と様子見てたら、未来が見えるスタッフが「この子は悪い事してる、このままじゃ風俗から抜けられ無くなる、最終的に自殺する、自殺する貴女が見える」と言い出した。
最初は若いスタッフはしらばくれてたが、未来が見えるスタッフがネイルブースのゴミ箱に捨てられた伝票を出して、レジと照らし合せて全てが一致した。
そのサロンの会計が、手書き伝票にメニューと金額書いてレジで精算するやり方。
伝票管理もずさんだったから、店保管の伝票とお客さんに見せる伝票の2つ用意して、実際の金額より多く書いてお客さんからお金貰う→差額をネコババしていた。
ネイルのお客さんはほとんど指名で来るから、仲良くなった顧客に対してデザイン料だパーツ代だと誤魔化して2~3年続けてたらしい。
問い詰めたらやっぱりホストに貢いでたと。
昼職だけでは足らず風俗と掛け持ちしてたと白状して、それっきり店にも来ず、その後は不明。
実はこの喧嘩の前に、何回か「貴女悪い事するのはもう辞めなさい」と言ったけど聞き入れてもらえなかった、でも自殺する姿が見えたから止めたかったらしい。
未来が見えるスタッフには小学校上がる前の息子さんがいるんだけど、キッズコンサートだか何だかに行く途中で嫌な予感がしたらしい。
行きたいけど行ったらまずいと思いながら電車をホームで待ってると、息子さんがホームの後方、進行方向とは逆側に走り出して、一番後ろの車両停車位置で電車を待つかたちになった。
何故か嫌な予感がとれなかったらしい。
間もなく電車が来るとアナウンスが流れ始め、気づいたら息子のとなりに見知らぬ男性が並んでいる。
しかもその男性の頭上に電車に飛び込む姿が見えて、これはダメだ!と思ってとっさに息子さんの手を引いて顔を覆い隠すと同時に、その男性は線路に飛び込み電車に跳ねられ亡くなった。
息子さんが直視しなくて本当に良かったと話していた。