取り殺されるところだった

カテゴリー「怨念・呪い」

昔家の庭の片隅にあったでかい石に座ったり、上で踊り子のまねを友達としたりして遊んだ。
その日から2週間以上39度の熱。
おまけに意識混濁。

両親は死装束の武家に叫びながら斬られる夢を続けざまに見た。
医者に見せても駄目、懇意にしていた檀那寺の和尚さんに相談したら「この子はいったい何をしたんだ!」と怒られたらしい。

仏間に変な幽霊がいたり、挙句、武士らしい男が端座して俺の枕元に座っていたのを見たそうだ。
知り合いの和尚さんと二人でやっと鎮め、俺も起きてるときに謝らせ、数珠を装備させてやっと治った。

直後、石のところに戻ってご馳走をあげ、俺は頭を擦り付けながら拝まされた。

後で聞いたところによればうちは何代か前の先祖が武家で、江戸時代に一度血筋が変わったらしい。
それで前の一族の最後の当主は何かの不行跡で切腹し、家名のみ縁者に与えたんだとか。

その石と言うのはその人の墓で、代が代わるごとに詣でるしきたりだったとか。

子供の俺にそんなことは分からず、無茶苦茶をしてその人を怒らせたと言うこと。
危うく取り殺されるところだったそうな。
仏間の霊はその人に惹かれてやってきた連中で、直接の関係はないそうだけど。
心底ぞっとする。

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