俺にとっては死ぬほど怖かった話。
中学の頃、夏休みにランニングをしようと決意した。
ランニングコースは家の裏にある田んぼ道。
くそ暑い中、俺は走り出した。
そんでダラダラ走ってると、田んぼの風景の中に真っ黒なカタマリを見つけた。
なんだあれ!?
そこまで走った。
近づくにつれて、その黒いカタマリの正体がわかった。
カラスである。
凄まじい数のカラスが田んぼの隅っこの方に集まっていた。
で、なんとなく石投げてみたくなって、田んぼ道なんてのは大抵が砂利道だから手頃な石ころは無数に落ちてる。
そこから適当にひとつ拾って、俺はカラスの群れにそれを全力で投げた。
真っ黒なカタマリに石が吸い込まれる。
その瞬間、カラスがいっせいに逃げた。
「うわーすげえ光景だ」と笑ってたら、背中に激痛がした。
もう本当に痛かった。
なんかが当たった感じ。
速攻うしろ振り向いたが、誰もいない。
ふと足下を見たら、そこには血まみれの石ころが落ちてた。
まぎれもなく俺がカラスに放ったはずの石だった。
あれは一体なんだったんだろな。