九州に伝わるオラガンさん

小学校6年生の二人は夏休みに田舎に遊びにきていた。
祖父母の家を出て、自然豊かな田舎の中を探検して楽しく過ごしていた。
少し離れたところに薄暗い森のような場所があることに気が付き「行ってみよう!」ということになった。
そこには廃墟が1つだけぽつんとあったそうだ。

廃墟の中を見に行くとそこは中学生か高校生の不良グループの溜り場になっていたと思われる痕跡がいくつかあった。
たばこの吸殻や大人の本など・・・。
少年たちは興味深々でそこにあるものを漁っていた。

その時!
「ずる・・・ずる・・・」と何かを引きずる音が聞こえた。

ここに来ている不良だ!

少年たちはそう思い、身をひそめた。

しばらくするとそこには不良ではなく、得体のしれない男が現れた。
手にはナタを持っており、ざんばら頭で侍のような格好をしている男が足を引きずって歩いているのだ。
少年たちは猛ダッシュでその場から逃げ去ろうとした。

もう少しで出口が見えるという時だった。
廊下の排気口から異様な雰囲気を感じて2人はそこに目を向けてしまう。
排気口にはさきほどの得体のしれない男の顔があった。
その顔は血の気がなく、目は白目を向いて血を流していたという。

それを目撃した少年たちは絶叫してその場を立ち去り一目散に家に帰った。

少年たちの異様な雰囲気を察した祖父が事情をたずね、少年たちは正直に今あったことを話した。
祖父は”まずい”・・・という顔をして言う。

「・・・オラガンさんを見てしもうたか・・・」

少年たちはそのあとすぐに服を着替えさせられ、酒と塩で清められた。
そしてバリカンで坊主にさせられた。
着ていた衣服は全部燃やされてしまったそうだ。

その後数日、少年2人とも原因不明の高熱と耳鳴りで寝込んだが、しばらくすると消えていったという。

オラガンさんとは、福岡のなまりで荒神さまのことであり、”あ”が”オ”になまり、”がみ”が”ガン”になまったそうだ。

今でも九州のどこかにオラガンさんが現れているのかもしれない。

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